シュンラン

シュンランの甘酢漬けを喰いたい、そんな思いで四日ほど前近くの雑木林へ探しに出掛けるも、林の中はイノシシなどに荒らされていて、見付けることが出来ずだった。
裏山でのシュンラン採りは出来なかったが、庭の片隅にはシュンランの大きな株が在る、この花の蕾が少しだけ開き食べごろになったら取り入れて甘酢漬けだ、こんなことも考えていたのに、裏山から帰った後はすっかりシュンランのことを忘れていたのだ。

遅い朝食を摂りながらカミサンが録画しておいてくれた「食彩の王国」を見ていて、不意にシュンランのことを思い出し裏庭に出てみた。
20本近い花が葉の茂みの中に隠れていたがすべての花は開ききっていた。
大きく花開いたシュンランの甘酢漬けは思いの外だ、甘酢漬け作りを断念した。

夕刊を取りに出ようとして玄関に花が飾られているのを見つける。
娘が届けてくれたとのこと。
今日は結婚記念日だったのだ。
まったく失念していた。日頃の呆け暮らしを反省していた。