フキノトウ味噌を作る

虫撮りをしていて人に出逢うと必ずこちらから挨拶をすることにしている。
野菜畑や果樹園で虫を追いかけることも多いことから、無断侵入にならないようにと挨拶するのだ。
今日も段々畑の法面でフキノトウを見付け、畑仕事をしている老婦に声をかけた。

フキノトウの写真を撮りたい旨告げると、食べるのではなくて写真ですか、と怪訝そうだった。
暫くの間、畑仕事のことや野猿がよく来ること、などいろいろと話が弾む。
白菜や春キャベツまで頂戴することになった。


何よりも嬉しかったのは段々畑のあちこちからフキノトウを摘み取ってきてくれたことだ。
昔は天ぷらなどにして食べたが、最近の若いもんは苦いのがキライや言うて食べへんでね、老婦はそんなことを呟きながら、白菜の入ったポリ袋にフキノトウを突っ込んでくれた。

フキノトウ味噌を作ることを告げ、お礼を言った。

帰ってから早速フキノトウ味噌を作り、念願の春の苦味を味わう。
ほろ苦いフキノトウ味噌、美味いと思った。
本日は好天だった。