野猿に遭う

虫撮りの時に何度か歩いたことのある山間の細道を歩いていて、野猿の集団に出会う。
若猿や小猿を交えた10数頭の群れだ。
群れの中に3頭ほど首に発信機を付けた猿がいた。
行動調査の為に取り付けられているのだろう、この群れは何処からやって来たのだろうか。

猿たちは放棄された栗畑の中に散らばってエサを探していた。
猿たちの様子をよく見たいと思い少しずつ間合いを詰める。
野猿と人との間にはある種の限界距離が在るのだろうか。
それまで近づいてもエサ探しに夢中だった猿たちが、一斉に雑木林の中へ移動していく。
親子で木の上にいた猿も慌てたように飛び降りていった。

これは私が限界線を越えて近づいたからだろう。
それでもその移動していく群れの中で最後まで残ってこちらを見ている猿がいた、群れを率いるボス猿だろうか。

野猿に遭う、好日だった。