カノコガ

玄関先にカノコガが来ていた。

先日もニラの花畑で吸蜜しているところを見かけた。
庭にもよく来るのだ。

私のこれまで見た限りでは、カノコガが止まっている姿は決まって翅を開いている。
Webの画像検索で調べてみても翅を閉じて止まっている姿は全く見掛けないのだ。
翅を閉じて止まるということはしないのだろうかとふと思った。
それというのも、Wikipediaで「カノコガはフタオビドロバチに擬態しているとされる」という記事を見たからだ。
擬態、それは外敵から身を守るために行われた進化の結果だ。

腹部の黄色い縞模様からフタオビドロバチに見えなくもないが、しかし、開翅した状態の翅はカノコガ固有の鹿の子模様だ、ドロバチの翅とは全く異なるのだから、どう見たってフタオビドロバチには見えないだろう。
もしカノコガが翅を閉じて止まっていて翅の鹿の子模様が見られなければ、フタオビドロバチに見えるかもしれない。
外敵を欺くことが擬態の本質だとすれば鹿の子模様を見せないことが最大の条件だと思う。
そんな思いだったから翅を閉じている画像を探したのだ。

急斜面の上のニラの花畑を通りがけに見上げる。

ニラの花も終末期が近く、一時のにぎわいは失くなっている。
花のいのちは短くてだ、アゲハなどの蝶たちももう来ることもないだろう。