キタテハ

琵琶湖に注ぐその小川は長い間川浚えもされたことがないのだろう、あちこちに土砂が溜まって小さな砂州を作り、その間を細流が蛇行して流れている。
砂州の上は一面に今が盛りのミゾソバが咲き誇っていた。
ミゾソバの花畑を覗き込んでいて、翅を閉じたキタテハがいるのを見付ける。

キタテハは翅を閉じたままでなかなか翅を開いてくれないのだ、陽も暖かく気持ちいい、土手に座り込んでキタテハが開翅するのを待つことにした。
ミゾソバの花を眺めながら、写真仲間たちと今津(高島市)のそば畑を撮りに行ったことを思い出す、その時の様々な光景は思い出せるのだが、何年前の秋だったかが思い出せないのだ。
時の流れをある区切りをつけて思い出すという年月の感覚が失くなっているのだ。

人の通りがないことを幸いに暫くの間座り込んでいた。
開翅したところを1ショットして腰を上げる。

遠回りしての帰り道、最後の稲刈りをしているコンバインとその上を円を描いて飛ぶトビの群れを見付け車を停めた。
トビはコンバインが通り過ぎた後の田圃に急降下して突っ込む、それも一度ならずだ。
何を狙っていたのだろうか。

湖北にコハクチョウが初飛来したという新聞記事を見た、一度行ってみるか。