ヒメアカタテハ

「たかしま発酵食文化カレッジ」(主催:高島市産業連携推進協議会)の開校される日だ。
開校記念の講演会が午後2時からだったので、会場への道すがら比良山麓の棚田でトンボ撮りをしようと早めに家を出る。
目的の棚田への道が一部陥没していて通行不能、トンボ撮りを諦めて引き返す途中、ヒメアカタテハやアゲハを見つけ「一日一虫」用にと撮る。


このヒメアカタテハやアゲハを追いかけていたことが災難の始まりになる。
161号線から棚田へと左折するまで車はスムーズに走っていた。それがチョウを撮った後の161号線は大渋滞になっていたのだ。僅かな時間の間に渋滞が起きていたとは。普通に走れば20分くらいのところを1時間以上かかった。開演ギリギリの滑りこみだった。

記念講演Ⅰ「発酵食品の世界・その歴史と効用」講師 松井徳光・武庫川女子大教授/農学博士の話は非常に面白かった。
発酵食品としての、日本酒、食酢、漬物、納豆、味噌、醤油、ヨーグルト等について、短い説明だったが非常に中身の濃い内容で話された。
それぞれの発酵食品について初めて聞く内容ばかりだったから、耳をそばだてていた。
ことに、「魏志倭人伝」の文中に現れる「・・歌舞飲酒・・」の文言から、日本の酒の成立の発端を見、奈良、平安、鎌倉・室町、江戸時代と時代ごとの酒や酒造技術の発展過程に関する話は素晴らしかった。
テープレコーダーを持ち込めばと思ったほどだった。

レジュメもしっかりしている、これを手掛りに発酵食品について調べ直してみたくなっている。

記念講演Ⅱは、正直面白くなかった。なんじゃこれはと思いながら途中から補聴器をはずした。
講演会場から抜け出したかったが前の方の席だ、それに居眠りも出来ずだ。
苦行に耐えるため来る途中で撮ったヒメアカタテハのことやヒメアカタテハ多重露光で撮ったらどんな絵になっただろうかとか、SIGMAの12−24mm広角ズームも持って来ているのだ、ヒメアカタテハにぎりぎりまで近づき遠景に湖西線を走る電車を入れて撮ったら面白いかもしれない、等など目を閉じて考えていた。

帰り道も渋滞だった。それも酷い渋滞なのだ。
記念講演Ⅰの松井教授の話が面白くなかったら今日は悲劇の一日になっただろう。