花大根

先日カタクリの花を見に行った帰り道、柿畑に野大根の花が咲いているのを見付ける。



カタクリの花を撮りながらも虫たちを探して雑木林の中を歩き廻ったが、一匹の虫にも出くわさずだった。
そんなことから野大根の花を見た時、モンシロチョウやミツバチ等がいるかもしれないと思い車を停めたのだ。
しかし、その花大根の群落の上にも、近くの梨の花にも虫たちを見ることはなかった。
初夏並みの陽射しが眩しかったのに虫たちの活動が見られないのだ。
柿畑の中のあちこちに野大根の群落が在ったからその幾つかを見て廻ったが、いずれにも姿を見ることはなかった。

虫のいない花大根の群落を覗きこんでいて、随分昔に読んだレイチェル・カールソンの「沈黙の春」のことを思い出していた。
柿畑に生態系を破壊するような農薬や殺虫剤が施されることはありえないだろうが、虫たちを見ることが出来なかった所為で妙な想像をしたのだ。



野大根のことで気になることがありWebで調べていたら、正岡子規の「虻なりと遊べ大根の花ざかり」の句を見つけた。
柿畑の花大根の群落を覗きこんでいた時の自分の心境そのものだと思い、小声で何度も口ずさんでいた。