老いのかたち(17)

比良山麓は小雨交じりの突風が吹き荒れるなど、終日変な天気だった。
随心院(京都山科)のはねず踊りを撮りに行くつもりで昨夜から準備をしていたが、出掛けようとした玄関先で春の嵐に出鼻を挫かれ、中止した。

二年前に一度撮りに行った時は初めてだったから様子が判らず準備不足だった。
今回はその反省から光量の大きなストロボや大型の三脚、それに脚立も用意した。
撮る気満々だったのだが、玄関先の風から山科も雨と突風が吹き荒れていたらと戦意喪失だ。

 (2012・3・25 撮影)



3・4年前までだったら、今日のような状況であっても、現地に行ってみなきゃ、雨もまた良しですよ、と自分に言い聞かせて出掛けただろうに。
行動が鈍っているのも老いの陰が月日とともに大きくなっているからだろう。

老いのかたち、矍鑠としたかたちでありたいものだ。
雨もまた良しですよ、そんな老いのかたちを自らに課さねばなるまい。