写真展にて

吉村和敏写真展「BLUE MOMENT](ギャラリー唯・京都市)を見てきた。
陽が昇る寸前と日が沈んだ直後の僅かな時間だけ空が青く染まる瞬間・BLUE MOMENTの情景を切り撮っているのだ。
久しぶりに見る素晴らしい作品群だった。

美術展や写真展を見る機会が多いがいつの頃からか感動するという事を忘れていた。
感受性が鈍化しているのだと寂しくなっていたのだが、先のMIHO MUSEUMで「土偶・コスモス」特別展を見た時のイマジネーションの膨らみ、そして今回の写真展での感動、これらは老兵にもまだ感受性が残っているのだと嬉しくなっていた。

この写真家のようにBLUE MOMENTを求めて世界のあちこちを旅することは叶わないが、せめてBLUE MOMENTを撮ってみようという気持ちだけは持ち続けねばなるまい。
それに、えっ!そんな撮り方もあるのと教えられた写真が幾つもあった。

この写真家が年間どれ位シャッターを押すのか、或はこれまでにどれ位シャッターを押してきたのか、全く想像もできないがそんな中で見付けたであろう技法の一つでも真似してみたいものだ、写真展会場でそんなことを思っていた。

上質なものを見る、これは大事なことだと思う。