クマゼミ飛び立てず

早朝の散歩の折、道端で羽化したクマゼミを見つけ持ち帰った。

本来木によじ登って羽化するセミが何かの原因で方向感覚を失ったのだろうか、人通りの多い道端で羽化しているのだ。
様子からみるに羽化は昨夜遅くにおこなわれたのだろう、少し離れた所に抜け殻が落ちている。
指先で突っついてみると力なくバタバタする。
羽化する場所の条件が悪かった所為で羽化したものの飛び立てずにいたのだ。
もうこれからも飛び立つことは出来ないだろう。

クマゼミは土中で過ごす幼虫時代が6〜7年、成虫になって2週間足らずの生命だという。
飛び立てないクマゼミを見ていると妙に寂しくなっていた。
これも老兵の感傷だろう。

明日は早起きして蝉しぐれを聞きに行こう。
メールによれば写真仲間のTさんも早朝の風景を狙っているようだ。
陽が登ったばかりの湖畔の光景を切り撮って送ってくれた。
負けずに早朝の虫撮りに出掛けねばなるまい。