呆けた一日

今日は安土城考古博物館で「継体大王と鉄生産」という講座の或る日だったが参加できずだ。
楽しみにしていた講座だったのに、昨日の虫撮りの疲れが出たのか、目覚めたのがお昼前。
午後1時30分開講だったから車をとばせばなんとか間に合うが、行動力に敏捷性が失われている老兵は起きだしても、もたもたと時間を潰しているのだ。

昨日の虫撮りで歩いた権現谷の山道もそれほどの距離でもなかったし、ハンミョウやイトトンボに翻弄されながらの撮影もたかだか小一時間、確かに紫外線は強い陽光だったが、それにしても疲れている。

もうふた昔も前だが、「古代製鉄」にハマっていた時期がある。
その頃は休日に虫撮りよりも古代製鉄に関する調べ物や読書のほうが多かったほどだ。
あの頃だったらどんなに疲れていても、今回のような講座には出掛けていただろうと思う。
ことに近江の古代製鉄に関して夢中になっていただけに、「継体大王と鉄生産」という講座には車をぶっ飛ばしただろう。

書棚には当時の名残の本が何冊か残っている。

古代製鉄に関するメモや新聞の切り抜きなどのスクラップを入れた紙封筒も残されている。
和鋼博物館(島根県安芸市)や出雲へも古代製鉄のことを知りたいがために出掛けている。

あれほど夢中になっていた古代製鉄のことなのに、今の老兵には講座を聞きに行こうという気力も体力も失われているのだ。

呆けた一日だった。
呆けた一日を取り戻すため虫撮りを兼ねて近い内に古代製鉄跡の源内峠遺跡を訪ねてみよう。