ホンシャクナゲの花芽

龍谷大瀬田キャンパスの中庭でホンシャクナゲの花芽を見付けた。

今年もシャクナゲの花の咲く時季に何度かこのキャンパスに来ているのに、シャクナゲの花を見たという記憶が無い。
瀬田キャンパスへ来るようになってから一〇年近くなる、四月には必ず来ている。
だからシャクナゲの花を見ない筈がない、それだのに見たという記憶が無いのだ。
本当に見ていないのだろうか。
呆けが始まり記憶の一部がすっ飛んでいるのだろうか。

帰宅してからシャクナゲの記憶を辿ろうと四月と五月のファイルを見たが、矢張りその痕跡は無かった。
シャクナゲにはクマバチやハナムグリなどもやって来るから、虫撮り人がシャクナゲを見逃す筈がないのだ。ということは矢張り何かの事情でシャクナゲを見なかったのだろう。

シャクナゲのファイルを探しながら、今日の講座、唯識論のことを思い出していた。
唯さえ難解な唯識論なのにその説明例示がこれまた難しいのだ。
シャクナゲの花芽は寒い季節を乗り越えれば四月には花を咲かせるだろうが、老兵がこの唯識論を少しでも理解できる日、それはどうも来そうにない。
授業放棄したくなっている。