小さい春

素晴らしくいい天気なので、マキノ(高島市)の雑木林に行って来た。
カタクリの花をきちっと撮ってみたいと思いその下調べだ。
何年か前写真仲間と一度撮りに来たことがあるが、その雑木林は様変わりして荒れ果ていた。

その林はクヌギ、コナラ、ミズナラなどの林だったから、落葉した春先の樹下には陽光が差し込み、カタクリの生育には格好の場所だった。
その林の木々がしいたけ作りの原木にでもされるのだろうか伐採されてしまっていた。
伐採された切り株の跡をを見るに若木がかなり大きくなっている、伐採は4・5年前のようだ。

この伐採の所為で林は丸裸にされたようになり陽光が一年中降り注いだのだ。
落葉している期間しか陽光を受けなかった樹下が目一杯の光を受けることになると、植生が変化し、最も逞しい茅の類が進出してきている。

ここはカタクリの群生地として絶好の撮影場所だったのに見る影もない。
それでもカタクリは雪に押し倒された茅の下からも小さな葉っぱを出していた。
雑木林の中の春はまだまだ小さい春だ、カタクリを探して歩いたが見っけたのは僅かだった。

柿畑や湖畔のハマダイコンも未だ背丈が低く蕾も固かった、ここの春も小さい春だった。

春が闌けたらもう一度来なくてはなるまい。