写真展「四季麗奏」

京都文化博物館で開催中の写真展「四季麗奏」(上杉満生 日本風景写真協会元会長・故人)を見てきた。
上杉さんの写真は写真集 ”琵琶湖””湖の詩””四季の旋律””渓山季彩”などで拝見したことはあるが、写真展は今回が初めてだ。
久しぶりに写真展ならではの感情の揺れを楽しんでいた。

印刷された写真集と異なり大きく引き伸ばされたボリューム感と印画紙に焼きこまれた色鮮やかな風景は、自分が現地にいるような錯覚さえ起こさせる。
見慣れた琵琶湖の風景もいくつか展示されていたが、その切り撮られた光景の光と影は見たこともない素晴らしさだ。そこにある風景、ありふれた風景、それを早朝の光の中であるいは凍りつく朝でというふうに写真家の感性が見事に切り撮っている。

それからタイトルの付け方がとっても良かった。
いろんな写真展を見て歩くが、肩を怒らせたような、気負ったような、写真とタイトルの意味する所が乖離しているような、そんなタイトル付けに出くわすことがしばしばあるが、今回は安心して見ることが出来た。

会場に随分長い間いた。
同じ琵琶湖のエリを見ながらも切り撮る一点と時間帯によってかくも素晴らしい光景が撮れるのかと、写真家の感性と手練の技に感嘆しながら会場に長居していた。