ナミアゲハの生存率

今日は一斉清掃の日だ、ご近所の方たちと自治会館周りの草刈をする。
これまでは鎌での草刈だが、今年は草刈機で刈り取った草を集める仕事を手伝うことにする。
集める仕事よりも休憩している方が多かったのに結構バテ気味だ。

集められた沢山の草の山を見ながら、草むらの虫達にとっては受難の一日だったろうと思った。

家の周りはカミサンが折にふれて草むしりしてくれているので、私のやることは殆ど無いが、柚子の木の下の草むしりをする。
柚子の実が大きくなっている。

一昨年は随分沢山の実がなり、ゆずポンを造ったりご近所の方におすそ分けしたり、それに何回もゆず風呂が楽しめたのに、去年も今年も僅かな数しか実を付けていない。
今年の実の少ないのは昨年の剪定の仕方が良くなかったのだろうか。
剪定の時期ややり方を調べ直さなければならない。

草むしりをしていて、柚子の木の葉叢の中にアゲハのサナギを見つけた。
柚子の木の鋭いトゲに気をつけながら腕を伸ばす。
ハサミで切りとり取り出してみるとサナギになったばかりのような色具合だ、嬉しくなる。
しかしそれも一瞬の嬉しさ。
サナギは寄生蜂にやられた跡を残している。

サナギの腹に寄生蜂が巣立っていった穴が開けられているのだ、多分アゲハヒメバチの仕業だろうと思われる。

開腹した様子からは寄生蜂が巣立ってから何日も経っているようだった。
アゲハの幼虫はアゲハヒメバチなどの寄生蜂に卵を産み付けられてもそれを知らず、脱皮を繰り返してサナギになるという。
サナギになりながら自分の内臓を寄生蜂の幼虫に喰い荒らされていく。
喰うもの喰われるもの、進化の摂理とは言え恐ろしい、こう思うのは感傷だろうか。

ナミアゲハの生存率は、その成長の過程によってそれぞれ違うが、終令幼虫(5令)で1.8頭、サナギで1.6頭、成虫で0.6頭だという調査もあるようだ。
100個の卵が蝶になるのは僅か0.6頭とは、これがナミアゲハに与えられた運命なのだ。
私が書斎で羽化の様子を撮影できたのは余程の幸運といわねばならないだろう。
2匹目の終令幼虫はもうじきサナギになる。
生まれてくるのはアゲハか寄生蜂か。
どっちにしても待ち遠しい心境だ。