書斎に来たアゲハの幼虫

庭先のオニユリにカマキリの幼体を見つけて4日程になる。
カメラを近付けると素早くくるっと葉裏に隠れ、しばらくすると様子を見るかのようにゆっくりと体を現してくる。
雨の日にはオニユリの先端の葉の茂みに身を隠し巧みに雨を避けている。
草の葉を細く裂いたもので悪戯しようとそーっとつっつくと、小さな鎌を振り上げるのが判る。

このカマキリの幼体を今日は見る事が出来ない。
葉の表裏を一枚一枚覗きこむように探したが見つからない。
同じ場所に4日も居てくれたのがむしろ稀有な事だと思うが、いなくなると妙に寂しいものだ。

居なくなったのはこのカマキリの幼体だけではない。
台所の窓下の壁にいたカタツムリも居なくなっている。
柚子の樹のアゲハの幼虫も見当たらない。
小さな命が動き廻って姿を隠したり、あるいは食物連鎖の宿命の中で消えてゆくのは当然の成り行きだと承知はしているが..........。

アゲハの変化、(幼虫からサナギへ そして羽化へ 蝶の成体へ)これら一連の命の流れを観察してみたいと思い始め、梅雨の晴れ間に、柚子の樹でアゲハの幼虫を探す。
幼虫の喰い痕を残す葉っぱや葉の上に残された糞を頼りに柚子の樹を探し廻った。

やっと1匹見つけ、書斎に来てもらうことにする。

これらを見ていると遠い遠い昔の日の事が思い出される。