ツチイナゴ

ヒメジョオンの咲き誇っている空き地へ足を踏み入れようとして、目の前の草叢から高々と飛び出すバッタに出くわす。
土塀に止まったのをよく見るとそいつは涙目をしている。
飛び出してきたのはツチイナゴだったのだ。

私が住んでいるこの住宅地も5・6年前までは空き地が多かったから、ツチイナゴもたくさん見かけたが、今では空き地もほとんど無くなっている所為でツチイナゴを見るのも稀になった。

バッタの仲間で唯一成虫で越冬するのがこのツチイナゴだ。
雛壇状になった住宅地の日当たりの良い場所、殊に風の当たらない暖かい場所では冬をやり過ごすツチイナゴをよく見かけたものだ。

夏も終わり頃には次の世代のツチイナゴの緑色の幼体が見られるだろう。
やや頭でっかちの涙目の幼体、コイツに飼育箱に来てもらうのも面白いかもしれない。


* 庭の柚子の木で見かけた3世代のアゲハの幼虫が3匹とも姿を消している。
  柚子の葉一枚一枚を見る程の丹念さで探したが見当たらずだ。
  鳥にでも喰われたのだろうか。