書棚で探しものをしていて、一番上の段の本の奥でボトルシップを見つけた。
脚立を用意しなければ見られない所に何故コヤツを仕舞い込んだのだろうか。手にとって見ていていろんな事を思い出していた。
コヤツを手に入れたのは30年近くも前、東京出張の帰りに丸善丸の内本店に万年筆を見に立ち寄った時だった。万年筆は長い間モンブランを使っていたが、気分転換に、ペリカンかウオーターマンを手にしてみたいと思い、見に立ち寄ったのだ。この時ウオーターマンと同じショーケースに飾られていたボトルシップが無性に欲しくなり衝動買いしてしまったのだ。
この時買い求めたウオーターマンは今も使っているが、それにしても現在では万年筆を使うことはごく僅かな機会しかない。ワードを立ち上げるほうが余程楽なのだ。またメモ書きや少し長文のものの下書きを書く時は、トンボ鉛筆のMONO100Bだ。万年筆の出番はまったくない。ウオーターマンもボトルシップのようにいつの日か引き出しの奥に隠れてしまうことだろう。
