クリシギゾウムシの幼虫

久しぶりにスーパーへ行ってみたいとカミサンが言い出したこともあって、車椅子のカミサンとスーパーセンターへ行く。カミサンが手にしたものの中に大粒の丹波栗の1パックがあった。一昼夜水に漬けておいて明日は栗ご飯だ。土鍋で炊き上げる時のちょっとした塩加減、カミサンが作り出していた塩加減のように仕上がるだろうか。微妙な塩のひとつまみのことを考えていて、先日拾ってきた柴栗を食してみようと思い出す。

栗の毬は素手では手に負えない。ラジオペンチとフォークを使って小さな実を2個毬から取り出す。取り出した栗の一つの底部に極小の木屑のようなものを見つけ、指先で払い落としてみると小さな穴が開いていた。

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コロンと転がしておくと暫くして小さな幼虫が這い出してきた。栗の実を食い荒らすクリシギゾウムシの幼虫のようだ。山野に自生する柴栗はその大半の実をコイツにやられるという。

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現在の和栗の原種である柴栗のことやクリシギゾウムシのことを少し詳しく知りたいと思い、PCとゾウムシの図鑑を取りに書斎に上がり下りてきてみると幼虫がいないのだ。居間のテーブルの上は読みかけの本や新聞、図鑑、カメラ、コーヒーカップなどが所狭しと散らばっている。その何処かに幼虫は紛れ込んだのだ、探してみるが見つからずだ。小さな幼虫の行動範囲は僅かばかりの筈なのに見つからないことが不思議だった。

柴栗は茹でて食した。昔々、カミサンが拵えていたような割り箸の先を削ったスプーンを作る。

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虫食いの栗の一欠を口にしただけだが、甘みも食感も丹波栗と全く変わらない。思う存分の量を味わってみたかった。それにしてもクリシギゾウムシの幼虫は何処に隠れているのやら。

 

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