柴栗の実

小さな谷間の向こうの段々畑へ虫撮りに行った帰り道、雑木林の外れの道端で木から落ちたばかりと思われる毬に入ったままの柴栗を見つけ持ち帰った。

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柴栗には様々な光景が連なっている。

半世紀以上も前の裏山の雑木林は人の手が入っていたから、下草やクマザサなどが蔓延ることもなく明るくて歩きやすい場所だった。今の時季には柴栗がたくさん落ちていたし、また運が良ければぱっくり口を開けたあけびの実にもありつけた。きのこの仲間ハッタケも見られた。

カミサンは愛犬との散歩の折などに雑木林から柴栗の実を一秋に何度か拾ってきていた。柴栗を茹で、割り箸の先を削って作った小さなスプーンを使って、子供達と食べていたものだ。子供達もカミサンも手製の小さなスプーンを器用に使って小さな小さな実をほじくり出していた、そんな半世紀以上も前の光景を鮮やかに思い出している。

毬栗は小皿に入れ本棚に飾った。

秋日好天。雑木林の坂道の上りでは一汗かいた。