空蝉

階段の上に伸びる木蔦が新芽を膨らませ始め、若葉も見られるよになっている。
若葉が増え始めると世代交代のように古い葉が一斉に落ち出す。
こうなると階段も階段下の道路際にも、時に驚く程の落ち葉の山になるのだ。
そんな落ち葉の時季が始まった今朝、階段で蝉の抜け殻を見た。
木蔦の葉にしがみついていた空蝉が葉の落ちるのに伴って転げ落ちてきたのだろう。

空蝉になって8ヶ月以上は経っていると思われるのに妙に新鮮な個体なのだ。
木蔦の葉の茂みに隠れていて風雨から護られていたのだろうか。

玄関先のシロダモの葉にも2月初旬まで蝉の抜け殻がくっついていた。
頑丈な脚で抱きかかえるようにしがみついていた空蝉だったから、大雪に見舞われても比良颪が吹き荒れてもシロダモの葉にいた。
玄関を出入りする度にこの空蝉の存在を確認するのがいつしか習いになっていたが、2月初旬のもの凄い突風が吹いた後ついに見なくなった。
空蝉は夏・晩夏の季語だが、雪の積もる枝先にくっいている空蝉、風の吹き荒れる中で葉っぱから飛ばされまいとしがみついている空蝉、こんな光景を想像していて、冬の季語になってもいいのではなかろうか、ふと思った。
来る冬には雪と空蝉の風景を探してみたいものだ。

蝉の抜け殻が落ちていた3段下では小さなナメクジを見る。

定期健診に行った病院の駐車場横の草叢で、ギシギシの葉にいるツマグロヨコバイを撮る。

テントウムシを探したが見掛けずだった。

「冬の間に増えた体重を少し落とさなくてはなりませんね」と担当医、草叢や雑木林の中を歩き廻る為には確かに減量が必要なのだが.......。