耳なし芳一

蚊除けのスプレーも万全にして小さな谷間へ虫撮りに行く。
主目的はヤブガラシに来るチョウの飛翔体が狙いだ。
期待していたように、キアゲハ、ナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ等が来てくれるが、ヤブカラシの上にいるのはごく短時間、待ち時間のほうが長かった。

止まりものは撮れても翔びものは思うようには撮らせて呉れないのだ。
クロアゲハの飛翔も最も欲しかったアオスジアゲハの飛翔も、ピンぼけばかり、被写体の前の草の葉などにピントをとられているのだ。

ゴミ箱行きからなんとか救い出した一枚。

クロアゲハやアオスジアゲハの再来を待つ間、両耳を蚊に喰われる、堪らない痒みだ。
蚊除けのスプレーを両腕にも首筋にもしていたが、耳に塗るのを忘れていたのだ。
蚊に喰われた耳の痒みの酷さをカミサンにぼやくと、カミサン曰く「耳なし芳一」ですね。