オオスズメバチ 障害物が苦手な奴

Aさんの菜園のイチジクの木には、熟れた実を啄みに来る鳥除けのために、ネットを被せている。
そのネットの上で今日は面白い光景を見た。
木から翔び立ったオオスズメバチ2匹がネットに引っかかったのだ。
その内の1匹は間なしに網目をくぐって飛び立っていったが、もう1匹は脱出するのに四苦八苦していた。7・8分は要しただろうか、障害物が苦手な奴に思えた。

このオオスズメバチを眺めていて、小学生時代の同級生Hのことを突然思い出していた。
Hは学年トップの巨躯を持ち成績もベスト5から落ちることは無かった。
それにスポーツも万能、走るのも速かったが、一つだけ苦手なものがあった。
運動会の時などで行われる障害物競争、ネットの下をくぐり抜けるのが苦手だったのだ。
練習の時も毎回顔を真赤にして必死でネットの下を這っていた。

ネットくぐりが苦手だったHも故人になって10数年が経つ。