ツワブキの花

少し早めの夕方の散歩にPUKUさんと出る。
運動不足が続いているので遠回りのコース、小さな谷間の畑の方へ向かいたいのだが、PUKUさんはそちらへ向かうのを嫌がって道端に腹ばいになり抵抗するのだ。
夏の初めころまでは、谷間の畑へ降りる草道も先頭で進んでくれたし、草叢で虫撮りをしている間も辛抱強く足元にいてくれたが、何故か今では草叢の道へ入ることを嫌がっているのだ。
道端に腹ばいになって進むことを拒否し始めると、頑として動こうとはしない。
頑強な拒否の腹ばいは、起伏のある山道へ連れださないでくださいよというシグナルだろう。
いつものコースにして、老犬と老爺のんびりと歩く。

ツワブキの花にホウジャクが来ているのを見つけ小走りになる。僅かな距離だが息切れがする。
近づくとホウジャクの姿は生け垣の向うに消えたが、ハナアブとカマキリを見付けた。

ハナアブはアシブトハナアブ
カマキリはオオカマキリ

これまでに撮った花のファイルからツワブキの花を探していて、メモ欄に書き込まれている俳句一句を見付ける。

一睡に日のかげりきし石蕗の花  
      平野 千江   笹 
平野さんのこの句を拝見したのはWebでツワブキのことを調べていた時だと思うが、いつ頃だったかは記憶にない。
呆け暮らしが続く日々の中、自分のうたた寝の一コマを詠んでくれたように思い、メモしておいたのだろう。
先日もベランダで秋の陽射しを浴びながら午睡したが、まさにこの句の風情だった。