シオヤアブの獲物

夕刊を取りに出た時、門扉の近くにシオヤアブがいるのを見付ける。
何か獲物を抑えこんでいるようだ、驚かさないようにそっと近づく。



シオヤアブが捕まえているのはアオクサカメムシのようだ。
離れたところから撮りながら少しずつ間合いを詰める。
シオヤアブが口吻をカメムシの背中に突き刺しているのが見て取れる。
獲物の体液を吸っている所為か、かなりの距離にレンズを近づけても飛び立とうとしないのだ。
これ幸いとシオヤアブの平均棍が撮れる位置にまで回り込んだ。

かなり以前にシオヤアブのことを調べていてこの平均棍のことを知った、その時からシオヤアブにレンズを向ける時は平均棍を意識して撮ろうとしていたが上手く撮れずにいたのだ。

翅の付け根すぐ近くに見える黄色いものが平均棍、後翅の飛翔機能が退化、変化したもの。
飛翔時には平均棍も前翅と同じ速さで振動させているとのこと。
このため平均棍は飛翔時のバランスを取るためのもの、とかっては考えられていた。
現在では航空機のジャイロスコープの働きをするという説が有力なようだ。

この小さな先の膨らんだ棒状の器官(平均棍)を取り去るとシオヤアブは飛べなくなるようだ。

至近距離までレンズを近づけシオヤアブを驚かせてしまう。
シオヤアブはまるで垂直離着陸機オスプレイのように真上に飛び出した。
2階の窓の庇まで飛ぶ。
獲物を抱きかかえたままだったからその飛翔能力に驚く。