ジャノメチョウ

草叢でジャノメチョウを見付け追いかける。

近づくと、背の高い草の間をすり抜けるように巧みに翔び、止まる時は草陰に身を隠すように止まる。空き地の中を追いかけ回すが、間合いを計ったように飛び立たれてシャッターチャンスがないのだ。

「今日の獲物は何ですか」
草叢にしゃがみこんでいた時声をかけられる。
息を詰めるようにしてファインダーを覗きこんでいたから一瞬ドキッとして立ち上がった。
知り合いのOさんだった。
「ジャノメチョウ狙いです、それにキリギリスもいましてね」

此処が空き地の草叢であり、声をかけてきた人が知り合いのOさんだったから良かったものの、これが誰かの菜園であり、その持ち主から誰何されたら、どんな返答をすればいいだろうか。
虫撮りに夢中になっていると知らず知らずの間に、畑に入ったり菜園に踏み込んでいることがある。
「瓜田に履を納れず」だ。 虫撮りの時十分に注意しなければなるまい、こんなことをふと思った。

玄関先のシロダモの木にキアシナガバチが来ていた。
葉っぱの葉柄の所を齧っているようだった。暫くしてから小さな団子状の物を咥えて飛び去っていった。