久しぶりの京都

開催されている日本風景写真協会京都支部写真展が間もなく終わることを思い出し観に行く。
久しぶりの京都だったのといい陽気だったので、あちこち歩き廻ってみた。

歩き廻る時の道すがら必ず立ち止まって覗き込むショーウインドウが幾つかある。
呉服屋さんだったり、老舗の和菓子屋さんだったり、人形店だったり、センスのいい商品が並んでいる文房具屋さんだったり、刃物を扱う店だったりといろいろだ。
今日は四条通にある人形店田中彌のショーウインドウを暫く覗きこんでいた。


四季折々の行事などにあわせて人形たちが飾られる、これを観るのがとても楽しみなのだ。
それともう一つの楽しみは、ショーウインドウを覗き込んでいる人達を見ること。
光の関係や天候の具合に寄っては、ショーウインドウの人形とウインドウのガラスに映り込む人影とが、いい絵を作り出すのではと思ったりしていた。



写真展には73点の作品が出陳されていた。
73人の人が自信作を掲げているのだ、見応えのある写真だった。
それらの写真の中でも、西川誠さんの「霜降深深」と名付けられたものには妙に惹かれた。
京都府和束町の白く霜の降りた茶畑を絶妙な構図で切り撮っている。
日の出前の凍りつくような寒さの中に三脚を据えて、思い描いている光を待っているのだ。
寒さの中、シャッターを切るまでどの位の時間ここにいたのだろうか。
和束町の茶畑については相当に詳しいのだろうか。
いろんな事に思いを巡らせていた。

久しぶりの京都、雑踏の中を歩き廻るのもいいもんだった。