ツチスガリを撮りに

偶然にも先日あるお寺の参道で沢山のツチスガリが営巣しているのを見付けた。
その時は不用意にもカメラを持っていなかったので、改めて撮りに出かけた。

午前中2時間ほど山門の前の石畳に座り込んでいたが思うようには撮らせてくれない。
それに10時過ぎには真夏日の太陽だ、石畳から跳ね返ってくる暑さもあり、暑さに参っていた。

お気に入りの一枚を撮るために粘り続けなければならないのだが、暑さの中で脱水症状を起こしそうな状態だ。老兵はギブアップするしか無かった。

手元において最近良く手にする図鑑に、「狩蜂図鑑」・田仲義弘著がある。
この著者は、アリマキバチがアブラムシを狩りするようすの一枚の為に3.000枚ほど撮影しているし、オキナワアナバチがハネナガイナゴを巣穴に運び込むところを撮るために、真夏の奄美大島の炎天下で1時間40分待ったという。

素晴らしい写真にはこれほどの対価が必要なんだと思い知らされる。
老兵にはもうそんな対価を支払う体力はなくなっているが、お気に入りの一枚を撮る為にはぶっ倒れるギリギリまで気力でやってみなくてはなるまい。
目的の一枚はツチスガリが獲物を巣穴に運び入れるシーンなんだから。