マフラーを買う

昨年の秋頃から落し物や忘れ物が多くなっている。
カミサンが作ってくれたカメラポーチ、チャージしたばかりのICOCAのカード、伊勢丹で買った蒸し鮨、それにお気に入りだったピュアシルクのマフラーだ。

落し物や忘れ物をした時はカミサンに報告するようにしているが、JRの電車の網棚に忘れた蒸し鮨のことだけは今も内緒にしている。
本を読むのに夢中になっていて下車駅に着いたのに気付かずドアが閉まる直前に慌てて降り、蒸し鮨を網棚に忘れましたなどとは言えなかったのだ。

ピュアシルクのマフラーはMOVIX京都へ「ホビット・思いがけない冒険」を見に行った時落としたようだ、届けは出しておいたが今も手元に戻ってはいない。もう戻ることは無いだろう。

シルクのマフラーを愛用していただけにこれがないと首周りが寒々として寂しいのだ。
失くして以来amazonで探したり京都へ出た折デパートなどを見て回ったがお気に入りが見つからずだった。
間に合わせにカシミヤのマフラーをしていたがどうも首周りが落ち着かないのだ。

昨日、講座からの帰り道,いつものコースの写真ギャラリー廻りの途中で高島屋に立ち寄った。
そして思いがけずシルクのマフラーを見付けたのだ。
欲しかったのは失くしたものと同じ表裏両面シルクのものだったが、最近は両面シルクのものは殆ど入荷がないと言われる。
欲しい物を買う時妥協することはまず無いのだが、表シルク裏ウールのマフラーを半分妥協して買い求めた。

カミサン曰く「今度は失くさないでくださいよ、今度なくしたら三度目のマフラー紛失になりますよ」
確かにこれまでマフラーを二度失くしている、最初のものはある事で自分を褒めるご褒美にと、東京出張の折銀座三越で買い求めたものだ。
イタリア製のピュアシルクのマフラーだった。
もう30年近くも前だ、当時としては身分不相応と思える買い物だっただけに、失くした時はショックだった。
マフラーにはいろんな思いでがある。