フユイチゴ

小さな谷間の畑へ行く道筋でフユイチゴを見付けた。

いつもだったら早速口にするところだが手を出さずにいた。
木苺の中でも美味い部類だと思いながらも手を出さずにいる自分が妙に可笑しかった。
いつの頃からか、虫撮りの時などの野山で見付けた木の実類に手を出すことが少なくなっている。
初めて見たものだとかこれまで口にしたことがない物を見つけると、決まって味見してみようという好奇心に駆られていたのに、そんな好奇心が失くなっているのだ。
これも老いた所為だろうか。

雑木林の中でフユシャクガを探していたが今日も出会えずだ。
ニイニイゼミの抜け殻を見つける。

これまでいろんな抜け殻を見てきたが、このセミ類の抜け殻(空蝉)ほど強靭なものはないように思う。
カマキリの脱皮殻やトンボのヤゴの殻は比較的風化するのが早く、空蝉のように翌シーズンまで持ちこたえているのを見たことがない。風雨の当たり難い場所に残されている空蝉などはつい先程羽化したばかりではないかと思わせるような光沢を持っていたりする。

フユイチゴ 次回谷間の畑へ行ったときは食してみよう。