ウマノオバチ

龍大瀬田キャンパスで「仏教伝来・第三の道」(山田明爾名誉教授)の講座のある日だ、講座もさることながら、キャンパスの森でオオスズメバチを探すことも楽しみの一つなので、早めに家を出た。
オオスズメバチポートレートを撮るのが目的だったが、それ以上のハチに出遭う。
ウマノオバチだ。


少年の頃雑木林で一度見たことがあるだけだ。大げさに言えば半世紀ぶりの邂逅になる。
このウマノオバチはレッドブックに載っている種だ。滋賀県では準絶滅危惧種に指定されている。この時季雑木林に潜り込んだ時などはウマノオバチのことも気にかけていたが、里山の環境悪化などから見る機会もなかったのだ。


ウマノオバチはシロスジカミキリの幼虫に卵を産み付けるという寄生蜂だ。
眼の前にいるこのハチも産卵行動をとっているのだろうか、木の洞にその長い産卵管を突っ込んだり、中に潜り込んだりの行動を繰り返していた。

この様子を広角12ー24mmで接近して撮りたかったが、頭上には複数のオオスズメバチがいるし、木の洞の反対側にも樹液が出ているためオオスズメバチがやって来るのだ。時には威嚇するように旋回して飛来する。

2時間近くオオスズメバチとの出逢いを避けながらの撮影だったが満足できるシーンは少なかった。講座がなければまだまだ粘っていただろう。

いつもながらの楽しい山田名誉教授の講座と虫撮り、充実した一日だった。