オオズアリ

門扉を開けようとして足元に視線を落とした時、玉砂利の上をヒラヒラと動くものが目に入った。玉砂利が動くはずがない。
一瞬自分の目がおかしくなったのではないかと不安に思い、屈みこんでその動くものをよく見ると、小さな小さなアリが茶色っぽい虫の羽を引きずっているのだ。

小さなアリは体長3mm弱のオオズアリのようだ。
引きずっているのはセセリチョウの仲間の羽のようだ。
最初は2匹程で曳いていたがあっという間に沢山の仲間が集まってきた。


アリの数が増えるにつれ運ぶ速さが早くなる。
何処まで運ぶのだろうか。巣の在り処が突き止められるかもしれない。

いつもポケットに忍ばせているコンデジ・GX-200で撮っていたが、眼デジマクロの方がいいだろうと書斎に取りに上がる。
一眼レフには昨日のオオスズメバチを撮っていた時の180mmマクロが付いている、こいつの重さでは扱い難いと思い、50mmマクロにしてツインストロボを装着する。

急いで玄関先に戻りしゃがみこんでアリの羽曳きを探したが、見つからないのだ。
眼デジに50mmマクロを付けツインストロボを装着する、この時間は僅かな時間だったのに、オオズアリが曳くセセリチョウの羽は忽然と消えていた。

玉砂利の上から門扉の壁際を通りフエンスのブロックの上を通り木蔦の中へ、オオズアリの行列は続いていたが、そのどこにもセセリチョウの羽は見当たらなかった。