ツクシ

いつもの散歩の道すがらツクシが顔を出しているのを見つけた。
今日はじめて気が付いたが3〜4日前から顔を出していたようだ。

ツクシといえば決まって思い出すことがある。
草津の琵琶湖岸で虫撮りをしていた時、ちょっとしたきっかけで親娘連れにサンドイッチをご馳走になったことがあるのだ。

枯れ草の土手で二人連は滑りそうになる足元を気にしながらツクシを摘んでいた。
私も虫撮りのかたわら少しツクシを摘んでポリ袋にいれていた、特別に食べるつもりもなかったので、もしよろしければと声を掛けた。
そんなことがきっかけで知り合い、小一時間ほど一緒にツクシ摘みをした。

「大阪からこちらへ越して来てから、毎年ここらでカゴいっぱいにツクシやヨモギの若芽を摘むのですよ。これが母の春先の楽しみでしてね」
実の親(80代)娘(60過ぎ)だろうか、笑顔も小さな笑い声もよく似ていた。

「ツクシのはかま取りは指先が黒くなって大変ですけど、沢山採ったツクシは佃煮にしたり、玉子とじにしたり、軽く塩茹でにしたツクシとベーコンをからめたパスタもほろ苦くていいですよ」などとレシピの説明までしてくれた。

もう6−7年も前のことなのにツクシを見かけると決まって思い出す、あの手作りのサンドイッチの美味かったことを。

昆虫写真家海野和男さんの写真にもツクシからナナホシテントウが飛び立つ写真が何点かある、あんな見事な飛翔のシーンを撮りたいものだ、琵琶湖岸へ探しに行こう。