齢間分業

「働かないアリに意義がある」(長谷川英祐著・メディアファクトリー新書)をやっと読み終えた。「蟻の自然誌」や「むし学」との併読になってしまった。

いろんな事を考える上での示唆に富んだ内容だった。
その一つが「齢間分業」と呼ばれるハチやアリの行動(労働)のこと。

社会生活をするハチやアリの個体は一生の間に仕事の内容を変えていくという。
非常に若いうちは幼虫や子どもの世話をし、その次に巣の維持に関わる仕事をし、最後は巣の外へエサを取りに行く仕事をするという。

若いうちは安全な巣の中の仕事、歳がいってからは危険の多い巣の外の採餌活動へ。
一言で言ってしまえば、年寄りは余命が短いから死んでも損が少ないということらしい。
これはコロニーを維持していく上での必然のパターンであり、種の生存率を高め、次世代に伝わる遺伝子の総量を出来るだけ多くして生き残るという進化の大原則であり、進化の結果なのだという。

生きているものは進化をし続けるとすれば、ヒトの進化にも如何なる進化があることやら。

今話題のTPPが日本という社会(コロニー)にどんな影響を与えるのかは分からないが、やはりそこにも適者生存とか階層分業みたいなものが生まれるのだろうか。
住みにくい国にならなければいいんだが。

月光撮りは来月になってしまった。