時雨の名前

午前中は冷たい雨が降ったり止んだりだった。
書斎の窓からは対岸の長命寺山や沖島が時雨の降りようで、見え隠れする。
沖島には薄日が差しているのに長命寺山は暗く雨のようだったりするのだ。
ふとこのことを「片時雨」と呼ぶのではなかったかと思い辞書で確認する。

自分の知っている時雨の名前は、朽木時雨、北山時雨、初時雨、村時雨、さんさ時雨など僅かなものだが、沢山の情緒のある名付けがあることに感心する。
「雨の名前」・(高橋順子著 小学館)には、露時雨(露時雨仏頂面へかかりけり・一茶)
霧時雨(霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き・芭蕉)などの俳句に詠まれた時雨の他、めぐる時雨、雪時雨、横時雨、月時雨、ほろ時雨など20近い時雨の名前が取り上げられている。

この中でも「月時雨」とは、月明かりの中を雨脚を白くしながら通り過ぎる時雨とのこと、「日照雨」(そばえ)のことは承知していたがこの月時雨には驚いた。
こんな時雨に一度は遭遇してみたいものだ、それに写真に撮れればなお幸いだ。

雨支度をきちっとして来週にでも朽木時雨を撮りに行ってみよう。