ルリタテハの蛹化

6時半に目覚ましに起こされて書斎に入る。
昨夜蛹化の前兆行動(頭を下にしてぶら下がる)をしていた3匹のうち2匹は完全にサナギになっていたが、もう1匹は昨夜の状態と同じだ。
少し違うといえば、見ていると時々ピクンピクンと体を揺らしている。
この様子を見て嬉しくなった。
今まで見たいと思い続けながら見ることの出来なかった、蛹化の瞬間が視られるのだ。

クロアゲハの蛹化の瞬間は見られなかったが、羽化を撮った時の経験から、このピクンピクン行動は蛹化を始める初期の行動だと分かる。
時間を開けたピクンが次はピクンピクンになり、次第に間隔を短くして体を振るわせる。
「し」の字の形でぶら下がっている幼虫がピンと体を伸ばしピクピクブルーンとやり始めた。
棘で覆われた外衣を脱ぎ始める準備が出来たのだ。

棘で覆われた衣の中でゆっくりとサナギの形が生まれているのだろう。
メタモルフォーゼ !。
この瞬間を見たいという長年の思いがかなえられた。
そしていろんな発見があった。
幼虫は外衣を脱ぐ時、ぶら下がっているから上から下へ脱いでいくものと考えていたが、そうではなかったし、変身の時間もあっという間だった。




一週間もすれば次の行動、羽化が見られる。
ルリタテハの羽化のプロセスはクロアゲハやキアゲハの羽化ほど華やかではないが。

スズバチは今日も巣の土壁作りに励んでいる。
採土の場所をまた変えたようだ、明るくやや白っぽい土で壁面全体を塗り固めている。
独りぽっちのこの作業、これまでもう何十回と土団子(経5mmくらい)を運んでいるのだ。
生まれた子供はこの重厚な産室の土壁をどうやって破るのだろうかと、妙な心配をしている。