ルリタテハの幼虫脱走

朝起きてみると、昨日書斎に来てもらった幼虫3匹のうち2匹が脱走している。
片付けの悪い書斎なので探しだすのが大変だ。
さんざん探した挙句に1匹は見つけ出して飼育箱に戻すが、もう一匹は見つからない。

見つからないまま第35回大津市写真展を見に出かける。
日曜日の所為か大勢の観覧者だ。
私好みのいいなと思うものが5点ほどあった。
中でも滋賀県写真連盟会長賞を受賞していた北中實さんの「レクイエム」は、その切り撮り方もタイトルのつけ方も素晴らしいと感心させられた。年季の入った撮り手だと思う。
この一枚の写真の中に、見る人の情感を揺さぶるドラマが隠されていると思えた。

それからもう一つ、私が何度も挑戦しながら未だに満足に撮れない光景に似た一枚があった。
修行僧のわらじ履きの足元を切り撮ったものだ。
私も来年は、出立時の真新しいわらじ、歩いて歩いてすり切れ汚れたわらじ、この光景をきちっと撮りたいと思っている、それまで元気でいたいものだ。

写真展から帰り荷物を机の上に置こうとした時、ノートパソコンの上に脱走したルリタテハの幼虫がいるのを見つける。
黒い点は幼虫のウンチ
どんな経路でこのパソコンまで辿り着いたのだろうか。
以前カタツムリの移動についてブログにも書いたが、今回も思いがけない移動に驚かされる。
昆虫には想像を超える能力が隠されていることを現代人は忘れがちだし、ましてや生の自然と向き合うことが少なくなっている現状では、虫の能力など想像の外だろう。

下の写真は今年の2月末に棚田の道で見つけた越冬したルリタテハ
寒い比良山麓でどうやって冬を過ごすのだろうか。
春を迎えるルリタテハの生存率はどれくらいなんだろうか。
虫を撮っているとこんな事が何時も気になる。