小さな命の終わり

「小さな命の終わり」と名付けたファイルを持っている。虫撮りや散歩の折などに見つけた虫たちの死を撮ったものだ。今日はこのファイルにジョロウグモの命の終わりを取り込むことになった。玄関先のシロダモの根元で見つけたのだ。

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シロダモの葉裏にくっついていたヤツが落ちてきたのだろう。越冬しないジョロウグモだから死んだのは昨年の冬の初め頃だと思うが、妙に新鮮な感じの骸なのだ。

虫たちの命の終わりを撮るきっかけになったのは、10数年前の夏の終わり、昼下がりの還来神社(大津市 途中)の境内で数匹のクロアリがアブラゼミの死骸を引摺っているの見てからだ。

シロダモの下でジョロウグモの命の終わりを撮った後、ふと、芥川龍之介の短編「蜘蛛の糸」のことを思い出し、青空文庫で一読する。この「蜘蛛の糸」は日本童話名作選や絵本がいろんな出版社から刊行されている。お釈迦様が垂らしてくれた一本の蜘蛛の糸をよじ登って地獄から抜け出そうとする大泥坊カンダタの心の有り様を、子どもたちに読み聞かせる母親はどんなふうに子供に説明すのだろうか。また小学校で教材として取り上げられた時に、教師と子どもたちの間で交わされるやり取りは如何なんだろうか。そんなことを思いながら読んでいた。

「鼻」「芋粥」「杜子春」「羅生門」「藪の中」これらも読んでみたくなっている。