ウラギンシジミ

連日続く猛暑のため擁壁に這う蔦も手酷く痛めつけられて黄褐色になり、数日前から落葉を始めた、例年より随分早いのだ。
かさかさに乾いた落葉は風に運ばれて何軒も先のお宅の庭先まで飛んでいく、近所迷惑この上ないのだ。
昨日の分と今日掻き集めたものを合わせるとゴミ袋がはち切れそうになった。

そんな掃き掃除をしていて、階段の途中でウラギンシジミを見つける。

ウラギンシジミも酷暑に痛めつけられたのか何処か傷ついているようだ。
頭部を中心にしてくるくる廻ったり、起き上がろうとするのだが起き上がれないのだ。

1ショットした後カメラをウラギンシジミの側に残して落ち葉集めに戻り、一汗かいた後再びウラギンシジミを見ると、先に見たと同じようにぐるぐる廻っているのだ。
いつだったかドキュメンタリーで見た、トルコのメヴレヴィー教団の旋回舞踏・セマーの激しい踊りのことを思い出していた。

ぐるぐる廻い続けているウラギンシジミ、翔び立とうとしているのだろうが翔び立てないのだ。
翔び立つことが出来なければ死が待っている、明日はシワアリの獲物になっているだろうか。

一日一虫、老躯のために今日はウラギンシジミが来てくれたのだ。