杉花粉の飛散量が増えているのだろう眼も鼻もグシャグシャ、酷く痛めつけられている。
鳥撮りに出掛けるにも厳重な身拵えが必要だ、それに短時間で切り上げねばならない。
いつものフィールド、今日は鳥を見掛けぬ日だった。
僅かにムクドリ、ツグミ、スズメ、ドバト、カラス、トビなどの常連さんを見ただけ。
変わったポーズや翔び方をしてくれるとレンズを向けただろうが、常連さんのいつもの様子では撮る気にもなれず、花粉症のこともあり早々に引き上げる。
今日の1ショットはムクドリ。
ムクドリの大集団とその騒がしい啼き声を見聞きしたことが、一度だけある。
12・3年も前になるが枯れハスを撮りに烏丸半島へ出掛けた折、日暮れ前の半島の街路樹で驚くほどのムクドリの群れを見たのだ。
当時は鳥撮りに全く関心がなかったから、ムクドリにレンズを向けることもなかった。
思い返してみれば、風力発電機を背景に飛び交うムクドリの群れのシーンなど絵になったように思われる。
ムクドリの大集団、あの時以来一度も見たことがない。
旅は空を見つめるくせの、椋鳥がさわがしい 種田山頭火
痒い眼で眺めおり春耕の田にムクドリ二つ三つ 風来坊 (推敲もせずに)