ミモザの花

あちこちのお宅でミモザの花が咲き誇っている。

住宅地では大小とり混ぜて10数本のミモザが見られる。
その中でも群をぬいて大きなミモザがHさん宅の庭にあった。
2階の窓際に届きそうな背丈と庭の半分も覆いそうな枝ぶりだった。
この大きさが原因で2年前の台風で根こそぎ倒され、今はもう見ることが出来ない。

この大きなミモザ木でおおっ!という光景を見たことと、それについての苦い思い出があるのだ。
5・6年も前、10月の初めだった、キタキチョウが産卵に来ているのを見たのだ。
2・3頭のチョウだったら別に驚くほどのこともないが、その時見たのは10頭以上のキタキチョウだ。
こんなチョウの群舞を見るのは生まれて初めての経験だった。

この光景を撮りたい一心で眼デジを取りに家まで駆け戻った。
家までの距離はたかだか500mほどの距離だが、坂道だったこともあり一息で戻れない、日頃の運動不足が祟っているのだ。
180mmマクロや70ー300mm望遠ズームを装着しツインストロボなども装着して現地に戻った。
現地に戻ってみるとキタキチョウの殆どが姿を消しているのだ、残っていたのは3頭ほどだった。
現地に戻るまでの時間は、カメラの準備や一息入れるためのコーヒータイムの時間、二台のカメラを担いでのゆっくりした歩み、それでも僅かな時間の経過だった筈だ。
その僅かな時間にキタキチョウがいなくなっていたのだ。

ミモザの花が咲いているのを見たりすると、今はもう見ることの出来ないHさん宅の大きなミモザの様子と、この時の苦味を決まって思い出す。

5月も中旬になれば越冬キチョウの子供(第一化)が産卵の時季を迎える。
キタキチョウの群舞を見ることは出来ないだろうが散歩の折には注意が必要だ。