師走のルリタテハ

買い物に出ようとして玄関の扉を開けた時、背後からチョウがいますよとカミサンの声。
翅を広げたルリタテハが扉の内側に止っていた。
薄暗がりだった所為で気が付かなかったのだ。
寒気の中で鮮やかな翅を拡げているルリタテハに驚く。

三週間ほど前、ITOUさんが自宅の庭にいたルリタテハの幼虫を二匹、ホトギスと一緒に届けてくれた。
それを飼育箱に入れずに一輪挿しに挿して玄関の下駄箱の上に置いていた。
終齢幼虫に近づくにつれ大粒の黒い丸薬のような糞を沢山したものだから、カミサンに睨まれていたが、サナギになるまでそのまま下駄箱の上に置いていたのだ。
サナギで越冬するのではとの思いがあったから、暖かい書斎の飼育箱よりも自然状態に近い玄関の方がいいだろうと考えた故だ。

買い物から帰って見ると玄関の扉から下駄箱の下に移動していた。

玄関先のサナギは二つとも羽化したから、家の中には二頭のルリタテハがいるはずだが、同時に二頭を見かけたことがない。

師走のルリタテハ、上手く越冬してくれるだろうか。