アオスジアゲハ

散歩の途次、放棄された畑にニラの花が咲いているのを見つけ、夏草の茂る斜面を登る。
急斜面とはいえたかだか5m程の斜面なのに一息で登れないのだ。
何度も滑り落ちそうになリながら登ってみると、畑の一角は思いもかけぬ白いニラの花畑だった。
アオスジアゲハ、アゲハ、アカタテハなどがいた。



ニラの花には、イチモンジセセリコアオハナムグリがかなりの数いた。
それに一瞬だがニラの花畑の上にある夏ミカンの木に、モンキアゲハの飛来があった。

このニラの花の咲く畑も5年前までは手入れの行き届いた野菜畑だった。
小柄だが若い時から力仕事で鍛えぬいたという自慢の足腰をしたNさんが世話をしていたのだ。
畑の隅には椎茸を栽培するためのクヌギの木ががきれいに木組みされていた。
Nさんからは椎茸を貰ったこともあるし、トウモロコシを貰ったこともある。

5年という歳月は知らぬ間にいろんなものの相貌を変えてしまうのだ。
今では椎茸のホダ木は朽ち果て、木組みもところどころで崩れ落ちている。
畑は荒れ果て原野に帰りつつある。


白いニラの花畑、ニラの花の咲く僅かな期間だけだが、ここは虫撮りの絶好の場所になりそうだ。
2年ほど前、ニラの花にマーキングされたアサギマダラが来ているのを小さな谷間の畑で見たことがある。
アサギマダラの渡りが始まる頃だ、このニラの花畑でも注意していなくてはなるまい。