カナブン

滋賀県立近代美術館の駐車場に車を停めて台風一過の雑木林に入ってみる。
林の中で樹液の発酵する匂いを頼りに虫を探すが、目にしたのはコナラの木にいたカナブンだけだった。

この木やその周辺の木々ではこれまで樹液に来るいろんな虫たちを見掛けていた。
オオスズメバチゴマダラチョウ、ヨツボシケシキスイ、サトキマダラヒカゲヒカゲチョウの仲間、シラホシハナムグリ、それにムカデを見たこともある。
それが今回はカナブン一匹だけなのだ。

11時過ぎの林の中は想像していた以上の蒸し暑さだったこともあり、早々に退散した。

野鳥狙いのベストポイントなのだろうか、道の駅草津近くの湖岸道路沿い歩道で、今日も野鳥を狙う5人のカメラマンを見た、瀬田キャンパスへ向かっていた10時過ぎだ。
講座が終わっての帰り道(午後4時前)でも二人のカメラマンがいた。


長尺のレンズを構えているカメラマンは午前中に見かけた人のように思い、炎天下、何を狙っているのか気になり近くのパーキングエリアに車を停めた。

猛禽類の仲間チュウヒを狙っているとの事だった。
撮影の邪魔をしてはと思い詳しいことは訊ねもせずその場を離れたが、午前中に見掛けたカメラマンの内の一人であれば、驚くほどの長時間木陰もない炎天下の湖岸に居たことになる。
私は暑さに負けて早々に虫撮りを諦めたが、烏丸半島のハスの群生地やその近くの葦原で野鳥を狙っているカメラマンのタフさには感心させられた。

何かを狙い思いの一枚を撮る、これを果たすための執念と体力、老兵には夢のまた夢になっている。