ねぎ坊主

4・5年前までは住宅地の空き地に幾つもの菜園が作られていた。
その菜園も今では放棄されたものが多くなっている。
作り手が一段と年取った所為なのだ。
そんな荒れ果てた菜園でねぎ坊主に来ているシマハナアブを見る。


ファインダー越しにねぎ坊主を見ていて、旧い知人のUさんのことを思い出していた。

Uさんとは情報システム関連の事で10年近い付き合いだった。
仕事上でのUさんは妥協のない相当に厳しい方だったが、仕事を離れるとこれがあのUさんと思えるほどの気さくな人だった。
Uさんのことで今も鮮やかに思い出すのは仕事関係のことではなく、素晴らしく美味かったUさんの手料理のことだ。
Uさんは時折自宅に招いてくれ、手料理を振る舞ってくれた。
その一つが、ねぎ坊主とベーコン、アンチョビ、ニンニクで作ったパスタのことだ。

20数年も昔のことなのに鮮明に思い出している。
ねぎ坊主を手に入れるのはなかなか難しいが、手に入ればUさんの作ってくれたようなパスタを作ってみたい。