シロダモの木

玄関先にその木を植栽した時から30数年間、その木はアオキだと思い込んでいた。
それが今日、樹木の芽吹きのことをWebで調べていて、アオキではなくシロダモだと気付く。

虫撮りの時の参考資料の一つとして、「日本の樹木」中川重年著(上・下)小学館など、木の図鑑を数冊持っている。気になることがあるとこれらに眼を通していた。
それにもかかわらず30数年間その間違いに気付かなかったのだ。

この木にはある思い出がある。
30数年前のことだが今鮮明に思い出している。

雑木林の中などを歩き廻るのが好きだったから、休みになるとよく藪こぎをしたものだ。
その日も雑木林の中を歩いていて、山道の補修作業をしている一人の老爺に出逢い声をかけた。
山道で出会う時の簡単な挨拶だったが、老爺は仕事の手を止めいろいろ話しかけてきた。
私もこれ幸いと、雑木林の下の集落のこと、山仕事のことなど質問してみた。
老爺は話し好きだったのかいろんな事を次から次へと話してくれた。

その時の老爺との出会いの記念みたいに貰って帰ったのが、根付きのこの木と山山椒の木。
山椒は判っていたが、この木の名前を知らなかったので聞いてみた。
老爺はアオキかなと言った。
持ち帰ると玄関先に小さな二つを植えたが山山椒の方は根付かずに枯れてしまった。

それ以来その木をアオキと呼び、ブログを書き始めてからも「玄関先のアオキ」と書いている。