赤い革のブックカバー

明日から楽しみにしている山田明爾先生の講座が始まる。
「仏教伝来・第三の道 ー熱帯雨林シルクロードと海洋シルクロードー」。
会場は久しぶりの龍大瀬田キャンパス、構内に雑木林があり虫探しも出来る。
帰り道の琵琶湖畔でも虫撮りができるのだ。
講座への期待感と虫撮りの楽しみが重なりあって、まるで遠足前夜の小学生のようにワクワクしながら持ち物の準備をしている。

準備をしたものの中に、赤い革のブックカバーが掛けられた文庫本「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)がある。

この赤い革のブックカバーは40年近く愛用してきたものだ。

長い歳月でカバーの表面は擦り切れ色落ちしているが、内側になるカバーの折り返し部分はカミサンが造ってくれた当時のままの光沢のある赤色が残っている。
擦り切れ色落ちした外側と40年近くも前の光沢のある内側の赤い色、その対比に奇妙な感慨を覚えていた。

カミサン手製のカメラポーチは昨年の彦根城の夜桜撮りの折失くしてしまった。
このブックカバーは失くさないようにしなければならない。
このブックカバーも一度何処かに置き忘れて失くしたと諦めていたことがあるのだ。
物もらいの治療に訪れた眼科医院の看護師さんから忘れていましたよと手渡された時は、諦めていただけになんとも言えない半年ぶりの嬉しい対面だった。

赤い革のブックカバーと同様に40年近く使っているものがもう一つ在る。
鹿の角の握手を持つナイフだ。
今ではもうあまり使わなくなったが鉛筆削り用に使っていたものだ。