トベラの花

近くの空き地にあるトベラが咲き始めて四日ほど経つ、近づくと甘い匂いがする。
爽やかな芳香と言うよりもドロッとした甘い匂いだ、私は好きになれない。

このトベラの花にアオスジアゲハが来ていた。

四年前までこのトベラの樹は立派な姿をしていて、5月も半ばになると白い花をこぼれんばかりに付け、いろんな虫たちに吸蜜を許していた。
それが四年前の年の秋の台風で半身をもぎ取られて無残な姿に変わり果ててしまい、樹勢も弱まってポツリポツリとしか花を付けることがなかった。虫たちの姿も見かけなかった。

無残な姿は今年も同じだが傷つけられていた樹勢が回復して来たのか花の数が増えている。
蝶たちの数も増えているようだ。

今年は久しぶりの飛翔撮りの舞台になってくれるだろうか。
トベラの木の下の草むらにはキリギリスやクサキリ、カマキリ、テントウムシも居てくれるし、ベニシジミ、ツバメシジミもやって来る。
何年か前にはアシナガバチの巣作りを見たこともあるのだ。
遠方のフィールドへ出掛けるのが億劫になり始めているのだ、この虫撮りの格好の舞台が存続することを願ってやまない。