千年椿のいずみ

定期検診の折、花粉症の眼の痒みを抑える点眼薬をもらった。
花粉日和というようないい天気だが、点眼薬のお陰で痒みとショボショボ感が治まっている。
本来なら花粉症を用心しなければならないが、PUKUさんとの散歩も遠出になってしまった。
途中で藪椿の大木に沢山の蕾が開きかけているのを観ていて、ある椿のことを思い出した。

朽木麻生(高島市)の集落へ入る川沿いの道で「千年椿のいずみ」と書かれた小さな案内板を見て車を停めたことがある。
道の下の麻生川に面した斜面に大きな椿の木があり、その根元からこんこんと清水が湧き出していた。旱魃の年でもその椿の根元から湧き出す水は涸れたことがないという。
この水を飲んだのは随分昔のことだが冷たくて美味かったのを覚えている。

ゴルフ仲間のMさんと二人でこの水を汲みに来たこともあった。
のん兵衛のMさんは水割りの水には大変うるさい人で、美味い水があると聞くとかなりの遠方までも出掛けていたようだった。
鈴鹿山地のどこそこへ行って来たとか、伊吹山のあそこの水も美味いよとかと水汲みに余念がなかった。
「瓜割の水(若狭町・天徳寺)もいいが千年椿の水も水割りにはいいよ、コーヒーにもいいと思うよ」
こんなことを言っていたMさんも故人になってしまった。

虫撮りを兼ねて千年椿のいずみまで水汲みに行ってみよう。