撮り鉄

プリンターのインクを買いに行った帰り道、冬枯れの田圃の土手に三脚を立てている人を見た。
立ち位置から見て、雪の比良連山を背景に電車を撮る「撮り鉄」さんのようだ。
時々湖西線沿いで電車を撮っているカメラマンを見かけるが、電車を待つその辛抱強さにいつも感心する。
電車が通り過ぎる一瞬を狙うための長い時間の待機だ。
時刻から想像するにトワイライトエクスプレスを待っているよう思えた。

昨日カミサンの録画しておいてくれた、ゆる鉄カメラマンと言われる中井精也の「にっぽん鉄道写真の旅・東北編」を視た。
中井精也が電車を撮る様子を追いかけたものだ、TV番組用のものだから多分に演出という面もあろうが、暗くなっても、雨の中でも、線路を鳥瞰するため山の上に登っても、目的の電車が来るまで待っているその忍耐強さに感心させられた。

吹きっ晒しの田圃の土手にいたあのカメラマンは目的の一枚をモノに出来たのだろうか。
高速連写で撮影したとしてもほんの一瞬の電車だ、満足のゆく一枚を撮るためにどれほどのゴミ箱行きがあるのだろうか。
中井精也の撮影風景と湖西線路脇にいたカメラマンとをダブらせていろんな事を想像していた。
自分は撮り鉄にはなれないだろうな、そんな思いだ。